2023年に港区虎ノ門・麻布台エリアに「麻布台ヒルズ」が開業予定です。
敷地内にある330mの麻布台ヒルズ森JPタワーは日本一高いビルでありながら、日本一高額なマンション…など話題が豊富な複合商業施設です。
麻布台ヒルズの目と鼻の先にあるのが六本木ヒルズ。
どちらも森ビルのブランドです。
麻布台ヒルズの特徴をよく知ってもらう為に六本木ヒルズと比較していきたいと思います。
目次
第二の六本木ヒルズ?麻布台ヒルズが開業
六本木ヒルズの竣工が2003年3月。
もう完成して20年も経っているんですね。
六本木ヒルズは今も昔も都内の観光名所の一つですし、オフィス街でもあり、デートスポットでもあります。
特に、クリスマス時期に行われるけやき坂のイルミネーションは東京タワーをバックに数多くの人が集まっています。
(虎ノ門ヒルズにあるMマーク)
その六本木ヒルズの企画や管理運営などを行うディベロッパーが「森ビル株式会社」。
六本木ヒルズ内の高層タワーは「六本木ヒルズ森タワー」という名称であり、森ビル本社もここにあります。
天上には森ビルのマークである「M」を見ることができます。
この森ビルが港区虎ノ門・麻布台エリアで「麻布台ヒルズ」を開業予定です。
麻布台ヒルズは六本木ヒルズから歩いて15分くらいの場所にあります。
ホント目と鼻の先という感じです。
敷地内には高さ330mの日本一高いビルである麻布台ヒルズ森JPタワーを筆頭に、270m、240mの3棟の超高層タワーがあります。
330mの超高層タワーには上階フロアには91戸のレジデンスがあり、分譲価格は最高300億円!という日本一高価なマンションなど開業前から話題です。
それでは、麻布台ヒルズのライバル的存在の六本木ヒルズと比較していきたいと思います。
麻布台ヒルズと六本木ヒルズとの違い
麻布台ヒルズは超高層タワーなど大きな建物が多い
六本木ヒルズは港区内の商業施設の中で最大規模です。
敷地面積は、六本木ヒルズが93,389m²、麻布台ヒルズが63,900m²。
麻布台ヒルズの方が六本木ヒルズよりも30%ほど小さいことになります。
ちなみに、六本木ヒルズから目の前にある東京ミッドタウンは68,900m²です。
(左手が麻布台ヒルズレジデンスB、右手が麻布台ヒルズ森JPタワー)
でも、延べ床面積では逆に麻布台ヒルズの方が六本木ヒルズを上回ります。
延べ床面積は、六本木ヒルズが793,165m²、麻布台ヒルズが861,500m²です。
「敷地面積」と「延べ床面積」がまどろっこしいですが、建物の床面積を合計したのが「延べ床面積」です。
つまり、大きな建物があれば延べ床面積が大きくなります。
麻布台ヒルズは、330mの麻布台ヒルズ森JPタワーを筆頭に、270mと240mの麻布台ヒルズレジデンスなど高層タワー3棟のインパクトは大きいです。
実際、まだ工事中で完成には程遠い状況ですがそれでも圧迫感はあります。
歓楽街の六本木、高級感で統一感がある麻布台・虎ノ門
どちらも所在地は港区ですが最寄駅も周辺の雰囲気も大きく違います。
六本木ヒルズがあるのは港区六本木で最寄駅は六本木駅です。
今でこそ国内外の大手企業の本社が集まり金融やITのイメージが強いですが、それは六本木ヒルズや東京ミッドタウンが完成した2000年以降の話です。
それ以前は六本木と言えば歓楽街というイメージが強かったと思います。
(六本木駅前の六本木交差点)
今でも六本木駅周辺は歓楽街の側面があり、クラブやキャバクラなど夜のお店も多いです。
その影響もあり港区でも六本木駅周辺は犯罪件数が多く夜にランニングを避ける場所もちらほら…。
この他、小さなビルや飲食店が立ち並び雑然とした雰囲気があるのが六本木です。
(麻布台ヒルズの最寄駅の六本木一丁目駅周辺)
一方で、麻布台ヒルズは港区虎ノ門・麻布台で最寄駅は六本木一丁目駅と神谷町駅です。
麻布台ヒルズ周辺は高層ビルや大使館など閑静街並みは統一感があります。
六本木一丁目駅は同じ六本木であるものの、虎ノ門・麻布台エリアは高層ビルやタワーマンションばかりです。
アメリカやスペインなどの各国大使館やオークラやANAインターコンチネンタルなどの高級ホテルもあります。
雰囲気はよく言えば高級感、悪く言えば無機質という感じです。
麻布台ヒルズは商業よりレジデンス(住宅)を重視?
(麻布台ヒルズレジデンスだけでも日本一の高さ)
六本木ヒルズも麻布台ヒルズも商業と住居を兼ねた複合商業施設です。
でも、六本木ヒルズは商業が強く、一方で麻布台ヒルズは住宅のイメージが強いです。
というのも、レジデンス(住宅)の総戸数が六本木ヒルズは約800戸に対して、麻布台ヒルズは約1400戸と大きな違いがあるからです。
麻布台ヒルズは超高層タワー3棟全てに住宅があり、特に270mと240mの2棟は麻布台ヒルズレジデンスという名称の通りほとんどのフロアがマンションです。
「住宅は麻布台ヒルズの最も重要な要素の一つです。」
(引用:森ビル公式ページ)
実際、上記のような記載もあるように麻布台ヒルズは住宅をより重視しているのかなと思えます。
一方で、オフィスのテナント企業に関してはほとんど話題になっていません。
麻布台ヒルズで主にオフィスとして使われるのが330mの超高層タワーです。
現時点でテナント企業として発表されたのが、ドイツ銀行・証券くらいです。
しかも、ドイツ銀行が移転するのは2024年とあり、その他のテナント企業の話が全然聞こえてきません
この他、麻布台ヒルズが商業より住宅に力を入れていると感じるのは周囲の環境と協調しようとしているのもある気がします。
麻布台ヒルズ周辺は閑静な街並みで用途として住宅向きです。
麻布台ヒルズレジデンスが最高300億円で段違いに高い
(アマンレジデンス東京が入る最上階の建設当時の様子)
2022年末に突然、麻布台ヒルズの分譲価格が20億円〜300億円と発表があり大きな話題になりました。
これまでマンションで最高価格が原宿のMARQ OMOTESANDO ONEの67億円です。
次に、東京ミッドタウン裏にあるパークマンション檜町公園の55億円でした。
麻布台ヒルズはこの記録を大幅に更新することになります。
この300億円の部屋は330mの最上階の可能性が高いです。
日本一高価であるとともに、日本一高い場所にあるマンションになります。
(左手にあるのが六本木ヒルズレジデンス棟)
その点、六本木ヒルズレジデンスは43階の最上階の物件が10億円弱です。
一時期はここに多くのIT経営者が住んでおりヒルズ族として話題でした。
今も高級なマンションであることに変わりはないですが、麻布台ヒルズと比べると肩透かしにあうかもしれません。
麻布台ヒルズと六本木ヒルズでここまで大きな差が出た理由は時代だと思います。
六本木ヒルズが開業した2003年と比べると、港区の地価は大きく上昇している上に、資材高騰などもあり、コストが高くなったのが大きな影響になっているはずです。
特に、六本木ヒルズが開業の直前まではバブル崩壊の影響で不景気でした。
地価も今と比べれば大きく下がっていた時なので価格が割安と感じるのは当然かもしれません。
もし、10億円の物件が中古で販売されたら軽く10億円を超えるんじゃ…。
ちゃっちい話ですが、麻布台ヒルズの影響を受けて自宅の家賃が10%も値上がりします…。
麻布台ヒルズ開業で脱六本木化の予感
ここまで規模感と周囲の街並み、商業と住宅の力の入れ具合、レジデンス価格の点で麻布台ヒルズと六本木ヒルズを比較しました。
ここ数年でライフスタイルや仕事観、ジェンダーフリーなど多様性が進んできています。
人や企業だけでなく、街づくりも多様性を取り組んでいく必要があるのかなと思っています。
この流れから遅れているのが六本木だと思っています。
今後は人も商業も脱六本木化していくのではと予想しています。
というのも、六本木という街並みはちょっと時代遅れになってしまった感があるからです。
六本木駅周辺は都市開発が遅れてしまった結果、時が止まったような建物ばかり。
六本木ヒルズや東京ミッドタウンが開業した時は街全体が盛り上がりましたが、今は孤立している感…。。
実は、六本木ヒルズから大手企業の移動が相次いでいます。
グーグルは渋谷ストリームに既に移転し、上階の4フロアを長年占めていたゴールドマンサックス証券も2023年に虎ノ門ヒルズステーションタワーに移転が決まっています。
同様に人もシフトしているんじゃないかなと思っています。
県外から六本木ヒルズや東京ミッドタウン目当てに六本木来る人ってどれくらいいるんでしょうかね…?
麻布台ヒルズをきっかけに脱六本木化が加速するのではと思っています。