麻布台ヒルズ

麻布台ヒルズのテナント企業は?働き方や外資系のリストラでオフィス移転に遅れも?

2023年秋頃に港区に「麻布台ヒルズ」が開業予定です
日本一高い330mのビルを筆頭に、270mと240mの3棟の超高層タワーやオシャレな建物など話題の施設。

同じ森ビルが運営する六本木ヒルズは開業直後にゴールドマンサックスやグーグル、リーマン・ブラザーズ、楽天など数多くの企業が移転して話題となりました。

では、麻布台ヒルズにはどんな企業がテナントとして移転してくるのか?
現時点のテナント企業と、コロナ禍での働き方改革や金融不安などがオフィス需要にどんな影響を与えるのか掘り下げていきます

開業半年前で入居企業は数社だけ

麻布台ヒルズには複数の建物にオフィススペースがあります。
敷地内の9割以上のオフィススペースがあるのが、高さ330mの「麻布台ヒルズ森JPタワー」
このビルの7階から52階がオフィスフロアになり、貸室面積は約204,000㎡(全体が213,900㎡)です。

ここに移転の発表ないし噂されているのが以下の企業。
新たにオフィス移転の発表があり次第、随時情報更新していきます

  • ドイツ証券・ドイツ銀行
  • SHIFT(シフト)
  • エージェント・スミス

開業予定が今年の秋頃にもかかわらず、移転が分かるのは3社
ドイツ証券は現在の山王パークタワーから2024年頃に移転、SHIFTは麻布台のビルから移転する模様です。
エージェント・スミスは六本木ヒルズに本社があるIT企業です。

麻布台ヒルズのような大規模施設は通常の事務所よりも内装工事などの関係で入居時期よりだいぶ前に決まっているのが一般的です。
特に複数のフロアを占める企業でレイアウトを内階段となると尚更。

また、ビル本体の設備についてもテナント企業から注文がある場合があります。
実際、六本木ヒルズは建設中にテナント企業のリクエストにより自家発電を設置したと言われています。
最大のテナントであるゴールドマンサックスは専用のエレベータを設けているほど。

現時点では、テナント企業は3割しか集まっていないとの噂…です

なぜ麻布台ヒルズにテナント企業が少ない?


(麻布台ヒルズ近くの六本木一丁目周辺のビル群)

麻布台ヒルズの開発がスタートしたのは30年も前。
その間に完成した、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズは大成功し、麻布台ヒルズにも期待していたと思います
まさか今だに話題の企業移転のアナウンスが少ないとは…。

この状況は麻布台ヒルズに限った話ではありません。
2023年3月に開業した東京ミッドタウン八重洲は直前までテナント企業の半分が入っていないとニュースになっていました。

テナント企業が入らない理由には以下がありそうです。

  • コロナ禍で働き方が変わり脱オフィス化
  • 港区のオフィスビルの供給過剰
  • 外資系企業のリストラ・金融不安

話題の麻布台ヒルズにテナント移転が少ない理由について具体的に見ていきます。

コロナ禍で働き方が変わり脱オフィス化

新型コロナをきっかけにテレワークという働き方が普及しオフィス需要が大きく変化
感染防止策の一環で出社率が低下し在宅勤務によりオフィスの空室率が急上昇しました。

アフターコロナとなった今でも、働き方の見直しで在宅勤務で働ける仕事も増えました。
オフィスの縮小や地方への移転などが相次ぎ都心の空室率は依然として高いままです。

今まさに影響を受けているのが、麻布台ヒルズだと思います
麻布台ヒルズは六本木ヒルズのようにIT企業に期待していたはずですが、テレワークしやすい業種だけに今もテナント探しをすることになっているのでは…。

六本木ヒルズに本社があるグリーはコロナ直後に別のビルに移転を予定していたものの、森ビルが好条件を提示して六本木ヒルズに留まったとか。
これは他のビルでも同様のことが起こっており、賃料減額やフリーレントなど特典で引き留めているようです。

話題の施設とは言え高いオフィス賃料を負担してまで移転する企業は現在のトレンドを考えると多くないのかなと思います。
むしろ、脱オフィス化が進む今は大型のオフィスビル建設は逆行している気がします

供給過剰?港区のオフィスビルは空室率が高い

港区には大小のオフィスビルだらけです。
麻布台ヒルズの周囲300m圏内には10以上もの大規模オフィスビルがあります。

麻布台ヒルズ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、住友不動産六本木グランドタワー、泉ガーデンタワー、仙石山森タワー、アークヒルズ、赤坂インターシティAir、虎ノ門ヒルズ、城山トラストタワー、オランダヒルズ、愛宕グリーンヒルズ…

港区には汐留や西新橋、品川、田町などのオフィス街もあります。
再開発も進んでおり、六本木ヒルズ向かえには54階建の複合商業ビルが工事中です。

コロナ禍でオフィス離れの上に、ここまで大型のオフィスビルがあるのは供給過剰と言えると思います
実際、供給過剰の目安とされる5%を港区は8%で大きく上回っています。

ちなみに、上記でご紹介したオフィスビルのうち、6ヶ所が森ビル運営です。
現在、六本木ヒルズに本社を構えるゴールドマンサックスは2023年に同じ森ビル運営の虎ノ門ヒルズステーションタワーに移転する予定です。

虎ノ門ヒルズは2014年に完成しましたが、その後も周辺に複数のオフィスビルやマンションを建設しています。
供給過剰となっている今、麻布台ヒルズにとっては同時期に完成予定の虎ノ門ヒルズステーションタワーの存在はマイナスな気がします…
仮に虎ノ門ヒルズの新ビルが無ければ、もっとテナント企業集めに苦労することはなかったのかもしれません。

外資系企業の相次ぐリストラと金融不安

最近ではGoogleやAmazon、Meta、ゴールドマンサックス、マッキンゼー、アクセンチュアなど大手企業が相次いで人員削減を行なっています

この他にも不安なニュースは続き、2023年3月にはアメリカの複数の銀行が破綻。
大手金融機関であるクレディスイスが経営不安視されUBSによる買収などがありました。
この影響でドイツ銀行の株価が急落。

六本木ヒルズをはじめ、虎ノ門ヒルズやアークヒルズなど森ビルのオフィスビルには外資系が多いです
六本木ヒルズやアークヒルズのオフィスマップを見ると、カタカナ表記の企業ばかりです。
毎日これらのスタバに通っていますが、外国人の方を見ない日はないほど。

外資系企業の相次ぐリストラと金融不安は麻布台ヒルズのテナント集めに大きな影響を与えてるはずです
現在も「麻布台ヒルズ森JPタワー」の複数のフロアで事務所募集を見ることができます。

テナント企業は外資系やIT、ベンチャーの予感


(ヒルズブランドで最も歴史が長いアークヒルズ)

テナント企業の空室は麻布台ヒルズにとって大きなマイナスです
経済的な問題もありますが、それ以上にブランドに悪影響です。
その為、いかに困難な状況でも森ビルは必死でテナント企業を集めるはず。

ここからは完全に個人的な推測です。
森ビル保有の施設から麻布台ヒルズへ外資系コンサルやIT企業、大手法律事務所などを移転させるんじゃないかなと思っています

幸い、森ビル所有のビルには、外資系投資銀行や戦略コンサル、投資ファンド、大手法律事務所、その他数多くの外資系企業が入居しています。

麻布台ヒルズへの移転は築年数が古いビルのテナント企業が中心になるはず
例えば、アークヒルズや愛宕グリーンヒルズ、六本木ヒルズ、オランダヒルズなどは竣工から15年以上が経過しています。
その他、小規模のナンバービル(例:虎ノ門33森ビル)は竣工から50年以上経過している建物もあります。

不動産会社が所有するビル同士やグループ企業間でのテナント企業移転は一般的です
三井不動産保有の東京ミッドタウン八重洲には、同社所有のビルから三井化学と日本GLPが移転し、関連の住友グループからは住友生命やダイキン工業が移転しました。

従業員数の増加やオフィススペース改革で移転という理由もありますが、ブランド維持の為にネットワーク活用でテナント企業を集めることもあります。
財閥系の三井不動産や三菱地所と比べて、森ビルは独立系なので劣勢です。

新型コロナが収束したとは言え、オフィス拡大は企業にとって大きなリスクです。
そこで、外資系企業やIT系、ベンチャー、そして別の森ビル所有の施設から移転した企業などになるのではないかなと考えています

まとめ | 麻布台ヒルズがテナント企業集めに必死

  • 開業半年前でテナント企業は数社だけ
  • 多様な働き方や供給過剰、市況悪化でテナント集めが困難
  • 金融不安でドイツ証券のオフィス縮小も?
  • 外資系企業やIT、ベンチャーが多い予感

麻布台ヒルズは開業直前にもかかわらず、テナント企業はわずか数社の模様です
少なくともドイツ証券やSHIFTの他に、大手企業の移転のアナウンスを見つけることはできません。

大規模開発の場合は長期間に及ぶのでその間に金融危機やパンデミックなど様々なトラブルが付き物です。
ただ、コロナ禍により在宅勤務へと働き方が変化し脱オフィス化は森ビルにとって予想外だったはず
これはオフィス需要だけでなく、麻布台ヒルズ工事の遅れにも繋がっています。
メインの「麻布台ヒルズ森JPタワー」は既に外観は完成済みですが、その他の建物の大半が未完成です。
もしかしたら、テナント企業が集まらない理由に工事の遅延もあるかもしれません。

そして、最大テナントと思しきドイツ証券がオフィス縮小の可能性もありそうな気がします
ヨーロッパでは金融機関の信用不安が広がっており、本国のドイツ銀行のCDS(企業の倒産に対する保険)が急上昇しています。

アメリカの大手金融機関では人員削減が続いており、EUの信用不安をきっかけにドイツ銀行もリストラをする可能性もあります。
その結果、日本を含む世界中の拠点にも影響が出てくるかもしれません。

RENOSY(リノシー)

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