多動性や衝動性、不注意などの症状を持つ発達障害の「ADHD」。
ADHDと診断が下りてしばらく経ちますが、少し自分自身を理解できたような気がして診断が出た時はホッとしたのを覚えています。
集中力の無さやケアレスミスなど弱点を知れたことで少しだけ改善できているような気がします。
30代半ばの時に診断が出たのでいわゆる「大人ADHD」です。
最近はADHDという病気への認知が広がったことで大人になってから病院を受診する人も多いようです。
そんな大人ADHDの1人として就職活動と就職活動についてご紹介してきました。
今回は会社員時代の仕事について書いていきたいと思います。
大人ADHDの方、症状がそれっぽい方で仕事ができない…と悩んでいる方に共感してもらえるとうれしいです。
目次
新卒・転職で大企業へ就職も転職を繰り返した経歴
この7、8年は株式投資やアフィリエイトなど自営業をしていますが、その以前は会社員として働いていた時もあります。
この記事でご紹介した通り、大学卒業後は新卒で外資系企業に入社しました。
この会社を含めて、会社員としての経歴と働いていた部門は次の通りです。
- 外資系企業:ファイナンス部門、経営企画
- 通信会社:事業企画
- 金融機関:経理、事業企画
外資系企業での企画経験と通信会社前のMBAなどもあり企画系の仕事が多かった気がします。
ほとんどがプロジェクトマネジメントをやっていました。
この3社で働いたトータルの期間はわずか4年程度…。
短くて1年、長くても2年弱と30代後半にもかかわらず働いた期間はたった4年。
キャリアのほとんどは現在の自営業になります。
ADHDと分かった今から考えてみると、すぐに会社を辞めた原因の一つにADHDがありそうだということです。
ほうれんそうや会議・口頭の理解ができなかった
自分で言うのもなんですが、経歴だけ見るとデキた会社員のように見えそうです。
でも、実際のところは…、
全く仕事ができなかった社員でした。
マジで役に立たなかったと思います。
パッと思いつく仕事ができないエピソードは次の通りです。
- ほうれんそう(報告・連絡・相談)ができない
- 会議・口頭での指示の内容が理解できない
- 仕事中・会議中ずっと眠くて集中できない
- 期限を守れない
- ミスが多く確認できない
- メモを見るのを忘れる
新卒の社会人が新人研修で習うような基本的な業務もできていなかった気がします。。
CFOやCMOなど取締役が出席する重要な会議に資料をコピーするのを忘れて外人上司から睨まれた時のことは今でも忘れません…。
しかも、残念なのは仕事ができないという認識を当時は持ってもいなかったことです。
どちらかというと、デキた方だと思っていましたし、短期間で会社を辞めているのは社風が自分に合わなかったと思っていました。
自分自身について何も知らなかったというか、客観視できていなかったです。
仕事ができなかったと考えるようになったのは自営業で様々な仕事を経験してからのこと。
そして、2020年8月にADHDと診断された時が確信へと変わった瞬間でした。。
そういう意味でADHDと疑ってメンタルクリニックを受診しただけでも大きな価値があったと思います。
なぜ仕事ができなかったのか?自分についての理解不足
じゃあ、なんでこんなにも仕事ができなかったのか?
一応、MBAまで進んで専門知識が多少あったはずでしたしPCスキルも最低限はあったと思っています。
パッと思いつく仕事ができないと思った理由などは下記の通りです。
- 知識に頼りすぎて社会人としての基本を疎かにしていた
- 誤ってデキる人間がいる会社&部署にいた
- 自分にはオーバースペックの仕事ばかりだった
- プロジェクトマネジメント系の仕事がメインだった
- マルチタスクが苦手
- そもそも、ワーキングメモリが低い
仕事ができなかった最大の理由は自己分析ができていなかったことだと思います。
ADHDやASDと判明した時と比べると、会社員時代は自分自身について全く理解していませんでした。
というより、自分自身を知ろうという気すらなかったです。
結構、この自分自身を知るというのはキャリア上で重要なタスクなんじゃないかなと今になって実感しています。
キャリアアップに向けていくら専門知識を重ねても現在のポジションが分からなければどの方向に進めばいいのか迷ってしまいます。
これは発達障害とは関係なしにどんな人にも大切なことだと思います。
自分自身について理解が不足していたせいでオーバースペックの仕事をすることになり、仕事を上手く進めるコツを考えようとも思いませんでした。
もし自分自身について理解が多少あれば周囲に仕事の進め方など相談できたでしょうし、仕事のやり方も見直すことができたはずです。
おまけに、ワーキングメモリが低すぎました…。
ワーキングメモリとは一時的に情報を記憶する能力のことを言いますが、ADHDを診断時に使う知能検査のWAISでダントツで低い項目がこのワーキングメモリでした。
気づけば確かに会議の内容を理解することができず議事録を作成するのも大変でした。
また、上司に突然呼ばれて指示を受ける時も十分に理解することができていなかったように感じます。
ちなみに、新卒の時は毎週英語で行われるチームミーティングのminutes(議事録)を作成する仕事が一つにありましたが、日本語ですら理解できないので英語の議事録を作れないのは当然な気がします…。
仕事スキル向上は身の丈に合った仕事と弱みの見直し
(現在服用中のADHD薬「ストラテラ」)
正直、苦い思い出しかなかった会社員当時については振り返りたくもありません…。
めちゃくちゃ嫌な上司もいたっけな。。。
出来ることなら一生涯、今の仕事を続けていきたいです。
毎日好きな時間に寝て起きる生活ですし、やりたい仕事を選ぶことができます。
面倒な人間関係も一切不要。
でも、仕事ができない理由について振り返っているのは再び会社員として働く可能性があるからです。
新型コロナをきっかけに本業のアフィリエイトの売上が9割以上も下落してしまいました。
ここ2、3年は貯金を切り崩しているような状況です。
現在、3000万円で資産運用をしているので今すぐ経済的に困窮するわけでもないですが、麻布十番ライフを一生涯続けていくのは無理です。。
そこで、再び会社員に戻り安定収入を確保する可能性を検討中です。
会社員に戻るとしたら以前のような同じ失敗やシチュエーションを繰り返しては絶対にダメだと思ってます。
特に今はもう30代後半で管理職を求められてくるような年齢なので、せめて平均レベルの仕事をこなす人間を目指したいです。
その策として考えているのは下記の3つです。
- 自分にあった会社・仕事を探す
- 自分の弱みを確認し仕事レベルを向上させる
- ADHD薬「コンサータ」の服用
まずは、身の丈に合った仕事を探すことが大事だと思っています。
今までの経験上、自主的に動くような企画系は向いておらず、黙々と作業をこなす系の方が向いていると感じているのでもし転職活動を始めるなら部署は経理を中心に探していくつもりです。
次に、自分の弱みを理解して仕事のやり方を工夫していきたいです。
メモの取り方や時間の使い方、同僚とのコミュニケーションなど改善点がたくさんあるのできっと仕事スキルも上がってくれるはずです。
そして、最後の解決策として期待しているのがコンサータの服用です。
コンサータは既にADHDと診断された方ならお馴染みの薬で、ADHDに効果的と言われています。
現在はストラテラという薬を服用しているんですがイマイチ効いているのか実感ありません。少なくとも仕事レベルが向上したとは思えません。
以前通っていたメンタルクリニックでコンサータについて相談したことがあるんですが、依存性が強く管理が大変な薬ということもあり処方されていませんでした。
今年の8月に新しいメンタルクリニックに通い始めましたが、そこでコンサータが処方されるかは分からないものの、仕事レベル向上においてコンサータの服用に期待しています。
仕事スキルを上げる策としていくつか考えましたが、自分について理解しているだけでもその影響は大きいと思っています。
もうオーバースペックな仕事を探すつもりもないですし、ミスも減らせるはずです。
まとめ
ADHDやASDと診断されているからと言って、仕事ができないというわけでは決してありません。
その人の特性や仕事との相性次第ではADHDがポジティブになっているということもあると思います。
でも、自分のようになぜか仕事ができない…と悩んでいる大人ADHDの人も少なくないはずです。
ADHDと診断が下りてから会社員をしたことがないのではっきりしたことは言えないものの、自分の症状や性格、仕事レベルなど現状を知ることだけでも大きな前進だと思っています。
たまたまですが、アフィリエイトで自営したことはADHDの衝動性のおかげです。
残念ながら経済的な問題で継続は難しいものの、ADHDがプラスに働くこともあるのかなと思っています。
ネガティブに考えず、プラスに考えていきたいところです。