多動性や衝動性、不注意などの症状を持つ発達障害の「ADHD」。
自分がADHDと診断が下りてしばらく経ちますが、これまでの30年ちょっとの人生を振り返ってみるとADHDの影響だったのかな…と思えることが多いです。
そして、周りには病気の事を理解されずに悩んだりイライラしたり大変な思いをしました。
今思えばあの時こうしておけば良かったんじゃないかな…と思うことがあります。
そこで、大人ADHDシリーズとして、進学や仕事、結婚など様々なライフイベントをテーマとして自分自身の経験をベースに何回かに分けてご紹介していきたいと思います。
第一回目は大人ADHDと進学です。
目次
ADHDでもちゃんと大学を卒業しMBAまで取得することができた!
一つにADHDと言っても症状や特徴は人それぞれ。
IQについても同様で、高い知能を持ったADHDの人もいれば、平均よりも劣った人もいます。
自分について言えばIQは平均レベルでしたが、WAISテストではワーキングメモリが平均よりも20以上下回っていました。
比較的、知能の面ではADHDが悪い方向に作用しているタイプなのかなと思っています。
そんな状況でも4年制の大学は卒業することができました。
しかも、新卒で入社した会社を経てビジネススクールにも進学。無事に2年間でMBAの学位を取得することが出来ました。
MBAの上位校ということもあり授業は結構ハード。
試験で下位の一部は進級できない仕組みでしたが留年せずに卒業できました。
とは言え、必須科目で5科目近くの追試を受けなきゃいけない状態だったのでかなりギリギリだったと思います。
振り返ってみれば、随所にADHD感が出ていたと思います。
自分の症状として、計画を立てるのがとにかく苦手。
これまでに課題や試験勉強を円滑に進められたことはほとんどなかったです。
でも、ADHDの症状としてよく言われるような授業中に立ち上がったり友達と喋り続けるようなことはありませんでした。
さすがに授業中は静かにしなきゃいけないという認識を持っていたみたいでずっとノートに落書きをしていた覚えがあります。
計画性がないせいで大学への進学や卒業は大変だった
海外の統計によると、ADHの子供は一般の子供と比べると、3.58倍も留年しやすいと言われています。
その他、ADHDの子供は中退も多いとか。学生生活で悩む人は多いようですね。
確かに、大学を予定通り卒業するのは簡単ではないと思います。
そもそも、その大学に無事合格することが難しいはず。
知能が高いADHDの人は別ですが、自分のように劣っているタイプにとっては大学受験は大変でした。
授業では先生が言っている話が全く理解できず、教科書を読むスピードは他の人よりも遅く、勉強にかかる時間は人の何倍…。
だからと言って要領が良いわけでもない上に計画性がないので高校3年生の時は希望校はあったものの受験前から浪人を考えていました。
1年間の浪人生活を経てそこそこの大学に合格することはできましたが、元々鬱気質だった性格が浪人したことでさらに拍車がかかった気がします。
この時に合格できたから今があると思いますが、時間も含めて失ったものもあるんじゃないかなと思っています。
無事に大学に入学してからも相変わらずの計画性の無さな性格は健在だったので試験やレポートは期限の直前に徹夜で毎回やっていました。
利口な人であればその現状に疑問を持ち、解決に向けてアクションをしていくんでしょうが、当時の自分にはそんな考えは一切なかったです。
大学は留年もなく無事に卒業することが出来たとは言え、卒業所要単位の124単位ピッタリでの卒業でした。
卒業するギリギリまで授業に出席し一つでも単位を落とせば留年という状況でしたが、本人は全く危機感もないまま…。
振り返ってみると、ADHDの症状で一番影響が大きかったのがやっぱりプランニングができない点です。
それ以外の集中力が続かなかったり、ケアレスミスが多かったりするなどの症状は、他の学生よりもより多くの時間をかけたりするなどで対処できたかなと思います。
上述の通り、プランニングができないと試験やレポート提出、卒業することもままならないので、この面で周りの支援があれば不安なく学生生活を営むことができるはずです。
大学に進学したことで仕事の選択肢が広がり結果的に起業家になれた
色々と苦労した学生生活でしたが、大学に進学してホントに良かったと思っています。
進学していなければ今のような仕事はしていなかったはず。
自営(起業家)という仕事はADHDの人に合った仕事だと思っています。
もちろん、自分自身がADHDだと感じたからこの仕事に就いたわけではありませんでしたが、煩わしい人間関係から解放されたいとか、自分のペースで働きたいという思いはありました。
具体的な仕事内容などは別の記事で紹介する予定です。
自営の仕事と言っても業種はホント様々で飲食店からプログラマー、コンサル、投資など…。
早くから目標があればそれに向かって進学先を決めていけば良いと思います。
ただ、様々なものに興味を持ってあっちへ行ったりこっちへ行ったりするのもADHDの症状の一つだと思うので一般企業への就職も含めて選択肢が広い大学への進学は大きな意味があるかなと感じてます。
良くも悪くも大学に進学してから様々な仕事に興味を持ちました。
それこそ法学部だったので弁護士にもなりたいと思いましたし、M&Aアドバイザリーもかっこいいと思ったり、はたまた安定した公務員もいいかなと思ったり…。
最終的には米国公認会計士の勉強をきっかけに外資系企業への就職と回り道ばかりでしたが、様々な職業を知ることが出来たのも大学にいたからだと思います。
でも、もし高校生の時にADHDであり理想の仕事が起業家であることを知っていたら大学ではプログラミングに活きるような学部を専攻していたと思います。
十分なプログラミングの知識さえあれば会社員でいることが辛くても独立して働けるオプションがありますし、相性の点からもADHDとプログラミングは結構よい組み合わせなんじゃないでしょうか。
まとめ
第一回目のADHDシリーズとして進学をテーマに選んでみましたが、整理するのは難しいですね。
とにかく、ADHDと進学で言いたいことは次の通りです。
- 計画が立てられず学生生活を送るのは大変だった
- 中学や高校、大学など進路を選択する際に周囲の支援があると理想的
- 将来の選択肢を広げる意味で大学に進学してよかった
そして、ADHDという病気を持っていることが早くわかれば将来に向けて早くから準備することが出来るのでADHDの診断は早期の方が良いのかなと自分の経験から思いました。
大人ADHDシリーズ第2回目の「就職活動」についてはこちらをご覧ください。