多動性や衝動性、不注意などの症状を持つ発達障害の「ADHD」。
自分がADHDと診断が下りてしばらく経ちますが、これまでの30年ちょっとの人生を振り返ってみるとADHDの影響だったのかな…と思えることが多いです。
そして、周りには病気の事を理解されずに悩んだりイライラしたり大変な思いをしました。
大人ADHDシリーズとして始めた1回目は「大人ADHDと進学」でした。
そして、今回は「就職」についてご紹介していきたいと思います。
新卒では第一希望の外資系企業のファイナンス職に就職
集中し続けることやコミュニケーションを取ることが苦手なADHDにとっては就職活動のハードルは高いと思います。
筆記試験だけならまだしも、集団面接や個別面接、あるいは圧迫面接…などゾッとする方も多いはず。
ADHDの自分はというと、新卒の就職活動は第一希望の会社から内定を貰うことができ満足できた就活でした。
内定を貰い、そして就職したのは、外資系企業のファイナンス職です。
就活した年のFortune500では売上が大きい企業として世界トップ10に入っていたくらいの会社です。
この就活でエントリーした数は僅か10社程度。
それでも外資系企業の他にも、数社の内定を貰うことができました。
でも、自分が第一希望から内定を貰えたのも、単に就活する時期が良かったから。
就活を始めたのはリーマンショックが起こる前の2008年2月頃。日系も外資系企業もリーマンショックが起こるまでは景気が良く、採用が活発的で今とは比較にならないくらい就活が簡単な時期でした。
振り返ってみると、就活の時もADHDの症状は出ていましたが、運よくタイミングに後押しされた形で難なく就活を終えることができました。
面接の質問内容が分からない…想定問答集を暗記して対策
ADHDの診断で使ったWAISテストではワーキングメモリーが平均より20以上も下回っていることが判明しています。
ワーキングメモリーが低いと、会話の内容が理解できなかったり、短時間で資料の理解が難しい…などの症状があり、まさに自分が苦手というというか出来ない点です。
そんな状況なので面接も要領得ない回答ばっかりしていたと思います。
当時は思いもしませんでしたが、面接官が質問している内容がイマイチ理解できず、一方でADHDに多い「しゃべり続ける」という症状からあれもこれも話続けてしまい何を言いたいのかさっぱりという感じだったはずです。
面接でも普通の会話でも端的に質問された答えを言ってからその理由なり具体的な話をすれば話し方として分かりやすいと思いますが、今も昔も真逆の話し方をしています。
だから、自分の話を相手に理解してもらえなかったり、何が言いたいのかさっぱりだったりな状態になります。
きっと、面接官はイライラしながら話を聞いていたんじゃないかなと思います。
それでもスムーズに就活を終えることができたのは、新卒の就活で聞かれる質問は志望理由や学生時代にしたことなどありきたりだったので事前の準備と暗記で乗り切ることができました。
新卒では乗り切ることが出来たものの、転職活動の面接ではホントに大変だった記憶があります。
新卒と比べると転職での質問はバラエティーに富むので、想定していないような質問が来ることがしょっちゅうです。
戦略コンサルの面接を受けたことがあるんですが、ケーススタディだったので回答している自分でも何を言っているのか分らぬまま面接が終わってましたね。
地頭を見るような質問にはADHDは対処しづらい面があるかもしれません。
ただ、新卒でも転職活動でも想定しうる質問がほとんどなので事前準備として想定問答集を作り、そしてそれを一字一句間違えないように暗記することで対策できるのかなと思います。
また、話し方としてなるべく結論を先に持ってきてから理由や具体例を話すなど流れを意識するだけでも相手への伝わりやすさは変わるのかなと思いますよ。
無計画の為に就活時期が遅れてチャンスを逃した
自分はとにかく目標と計画を立てることが苦手です。
もしかしたらADHDの症状の中でも一番苦労したのがプランニングがへたくそな点かもしれません。
それもあってか、新卒の時には就職活動を始める時期が人よりも遅くスタートすることになり、チャンスを逃してしまったこともありました。
自分が大学生だった時は、大学3年の12月くらいから就活のスタートをする人が一般的でした。
企業もそれに合わせて年末年始に就職説明会を開き、年明けから選考を始めていく流れだったと思います。
でも、自分が就活を始めたのが大学3年の2月頃。
就活を始めなきゃいけないという危機感もなかったので周りが就活で忙しくしている中でCPAの試験勉強をやっていた記憶があります。
2月でも就活のスタートとしては決して遅くはないんですが、一部の企業では既に説明会を開催していたところもありましたし、自分自身の準備として自己分析や業界分析などを一切やらずにいきなり就活に突入した感がありました。
結果的には希望していた企業から内定を貰うことが出来たものの、総合商社とかも見てみれば良かったかなと思ったりすることも…。
就活には資格や試験、TOEICなどのスコアも選考の一つです。
だから本来なら就活のスタート時期よりもずっと前から就職希望先の情報収集を始めて選考に有利になるような勉強を始めるべきなのかもしれません。
面接での準備も含めて、就活をうまく乗り切るにはしっかりとした準備が大切で、その為には十分な計画を立てなきゃいけないのかなと思います。
まとめ
ADHDを持っていることで様々なライフステージで苦労してきましたが、就職活動については意外に悩んだことは少なかったです。
というのも、就活は事前準備ができるので対策のしようがあります。
就活の計画を立てて面接に向けてしっかり準備さえしていればADHDで悩んでいる人でも難なく就活をクリアできるはずです。