浸水被害など考えられなかった武蔵小杉のタワマンで停電・断水
10月12日に東日本に上陸した台風19号。
早くから史上最大と言われて警戒されてきましたがまさかこんなにも大きな被害が起こるとは…。
先日千葉県に大規模な停電をもたらした台風15号とは違い、今回の台風19号による被害の特徴は河川の氾濫による洪水です。
洪水があった地域では住宅の1階部分が水に浸かってしまうところもあったみたいです。
今回の台風では事前に準備していた方が多かったとはいえ、こんな大規模な浸水被害は想定外でしたね。
そんな中、浸水被害により停電と断水の影響が今も続いているのが、神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉。
武蔵小杉と言えば、「ムサコ」の名前でも有名で「住みたい街ランキング」なるものでいつも上位の地域。
武蔵小杉が人気になったのってホントつい最近の話で、10年くらい前に多摩川をロードバイクで走っていた時にタワマンが乱立していて驚いたのを覚えています。
なぜか武蔵小杉駅周辺だけタワーマンションや高層階マンションが並びます。
それも20階建てとかではなくて、50階建てくらいのタワマンもちらほら…。
麻布や六本木でも見られないくらいタワマンばっかりですね。
武蔵小杉駅から500mくらいしか離れていない距離に多摩川があります。
今回の台風ではこの多摩川が氾濫し、武蔵小杉周辺のマンションの浸水の被害をもたらしました。
そして、浸水によって高層階のタワマンで停電と断水の被害。
原因はタワマンの変電設備が浸水の被害を受けたためみたいですね。
電気も使えないのでエレベーターや水道、トイレを使うことができず、非常階段を数十階も登らざるを得ない人も…。
武蔵小杉で住んでいる人の中には多摩川の氾濫のリスクを覚悟している人も少なくないはず。
だからこそ、影響がない(と思われた)タワマンに住んだらまさかのタワマンで浸水の被害。
今はまだ浸水している地域も少なくないらしく、道路も泥で普段の武蔵小杉とは言い難い状況。
復旧にはまだまだ時間がかかりそうですね。
そんな時に話題に上がり始めているのが、浸水被害による武蔵小杉の価値について。
今回の浸水被害によって多少なりとも「武蔵小杉=浸水被害があった街」とイメージを持つ方が少なくないはず。
それが住宅価値の下落を招くんじゃないかと危惧されているようです。
浦安では液状化で住宅価格が大きく減少。ムサコも安くなる?
地域や住宅の価値ってイメージが大きく左右します。
いくら浸水対策をしたところでそのイメージは簡単には払しょくすることはできないはずです。
もしかしたら台風シーズンのたびに多摩川の浸水を思い出すことになるのかもしれません。
イメージ悪化により住宅価格が下落した例として、浦安があります。
東日本大震災の時に埋め立て地である浦安市の東京湾沿いで液状化が起こりました。
液状化により一戸建てやマンションが傾いたところも少なくないです。
舞浜にあるディズニーリゾートも液状化の影響で駐車場が水浸しのような状態になりました。
この液状化によってしばらくの間、浦安市の住宅価値は大きく下落しています。
麻布に住む前は浦安市の内陸側に住んでいました。
浦安に引っ越しをしたのが2012年8月頃。
震災から1年半が経過しているにもかかわらず、どこの賃貸マンションも借り手がつかず、震災前と比べて家賃が2~3割も下がった物件が少なくなかったです。
自分が浦安のマンションに引っ越したのも家賃が大きく下がったのが決め手です。
家賃が従来よりも2万円安くなり、仲介手数料や礼金が無料で2ヵ月間のフリーレントも付いたお得な物件でした。
でも、自分が暮らしていた地域は液状化の影響は一切ありません。
震災後、「浦安市=液状化の街」というイメージが強くあったかと思いますが、液状化の影響があった地域は主に浦安市でも海側のエリアの一部。
今でこそ、家賃ではっきり液状化の影響は感じられないですが、震災から8年経った今も液状化のイメージは払しょくできていません。
賃貸とは違って分譲マンションや一軒家を買うならその地域のリスクや事件・事故など過去に遡って調べるので何年経ってもイメージが残り続けるのは仕方がないのかもしれませんね。
浦安の事情を踏まえると、武蔵小杉も浸水被害があった街としてイメージがしばらく残り続けるのかもしれません。
それによって住宅価値が下落するところも近いうちにあるのかも。
台風19号による浸水被害で影響を受けた武蔵小杉のまとめ
都心でこんな大きな災害は久しぶりです。
改めて災害は直接的な被害だけでなく、風評被害のような間接的な影響もあるんだなと思いました。
武蔵小杉に憧れを持っていた人も少なくないはず。
それが台風によって街のイメージが大きく変わってしまいましたね。
まさかタワマンが浸水の被害を受けるとは…と思う一方で、予見できた部分もあるのかなとも思います。
多摩川は氾濫したのが今回が初めてではなく、過去に何度もある上に、武蔵小杉は多摩川から近距離。
しかも、駅周辺の海抜は低く、氾濫による浸水リスクは考えられたのかなと思います。
とは言え、こんなリスクがあるからこそ、アクセスが良いわりに住宅価格が周囲の人気エリアである二子玉川や自由が丘よりも住宅価格が低いのかなとも。
実は、結婚に伴う引っ越しで武蔵小杉を検討していたこともありました。
この時はやっぱり東京の方が良いかなと思って選択肢から外していましたが、今後の価値の下がり具合によっては武蔵小杉もありかなと思っています。
(追記)
新居の候補地の一つに考えていた「武蔵小杉駅」。
今回の台風で露見した浸水リスクも、低い階に住まない限りは大きくないと考えていました。
後は家賃次第。
でも、不動産会社に相談してみると、賃貸向けの物件にはほとんど影響がないということ。
影響があったのは分譲マンションなどで賃貸には変化がないということだったので武蔵小杉駅は候補地から却下。
最終的にはみなとみらい・関内エリアのタワマンに決めました。
周囲に大きな河川はありませんが、目の前には東京湾があり、南海トラフ地震では津波の可能性があると指摘されています。
浸水リスクも考慮して上の階の部屋にしました。