2021年からバリュー株として持ち続けている神戸製鋼所。
神戸製鋼所は3,500株保有しており、現在の含み益は470万円で最も稼ぎ頭の銘柄です。
2023年夏頃に保有株を含めて様々な銘柄のリサーチをしていきました。
自分への記録として、その時に書いたメモを参考にしつつ、神戸製鋼所の銘柄分析をご紹介していきたいと思います。
※投資判断はご自身の責任でお願い致します。当ブログでは一切の責任を負うものでは無いのでその旨ご了承ください。
目次
神戸製鋼所の含み益が470万円を突破
8月末の評価損益ではトータル350万円で過去最高を更新。
とは言え、20弱ある銘柄のほとんどが含み損を抱えている状態です。
それでも含み益が大きいのは神戸製鋼所の含み益が470万円以上もあるおかげです。
もし、同社がなければ100万円以上の含み損となっていたところです…。。
神戸製鋼所は今年に入ってからほとんど毎月株価が更新中です。
2月時点と比べると、含み益は300万円も上昇しているような状態です。
でも、プラ転したのは2022年12月でそれ以前はずっと含み損でした。
神戸製鋼所を最初に購入したのが2021年6月、それから2022年2月までにナンピン買いをし続けた結果、現在の3,500株保有となりました。
2022年12月以前はずっと含み損で、一時は評価損益率が-30%となり悩みの種でした。。
そんな状態から株価が急上昇し、神戸製鋼所を塩漬けしてきて良かったなと思っています。
2023年の株式投資の利益目標が280万円と少し高めに設定していたんですが、神戸製鋼所を利確さえすれば目標クリアできそうな可能性が高まってきました。
神戸製鋼所(KOBELCO)の強み
神戸製鋼所を2021年6月に購入したきっかけは、前日比で株価が急落していたからです。
当時は短期トレードを目指しており、反発を狙って株価が急落していたプライム企業(当時は東証一部上場)をランキングで表示させており、それが神戸製鋼所でした。
神戸製鋼所についての情報は鉄鋼メーカーでありプライム上場企業ということくらいです。
短期売買なので売上や利益を見ていませんでしたしIR資料などで事業についてのチェックもしていませんでした。
株価急落直後に反発するという目論見は外れ、株価が下落し続けたので仕方がなくナンピン買いを繰り返していきましたが、同社についてしっかりとリサーチをしたのは今年です。
ずっと鉄鋼メーカーという認識しか持っていませんでしたが、現在では神戸製鋼所は大手鉄鋼メーカーであり大手電力事業者という理解です。
神戸製鋼所の売上高や利益、財務指標
(出典:Google Finance)
神戸製鋼所の詳細なデータは、同社のIRページをご参照下さい。
神戸製鋼所 (日本製鉄)
- 売上高:24,725億円 (79,755億円)
- 営業利益:863億円 (9,164億円)
- 当期純利益:725億円 (6,940億円)
- ROE:8.4% (18.1%)
- EPS:183.80円 (754円)
(※2023年3月期の決算データ)
神戸製鋼所の業種は鉄鋼です。
鉄鋼メーカーのうち、同社は日本製鉄、JFEホールディングスに次ぐ3位に位置しています。
直近の売上高は2.4兆円を超えており思った以上に大企業。
同社がある兵庫県内の企業では最も売上高が高いです。
参考までに日本製鉄の売上高を掲載しましたが、日本製鉄の売上高は圧倒的です。
業種が鉄鋼とは言え、各社それぞれ鉄鋼以外にも展開していますが、日本製鉄は売上の9割が製鉄(鉄鋼)事業が占める、ザ・鉄鋼メーカー。
一方で、神戸製鋼所は多角化経営で様々な事業で利益を出している企業です。
鉄鋼3社と比較し鉄鋼事業の割合が小さく多角化が強み
売上高セグメント
- 売上高:24,725億円
- 鉄鋼アルミ:11,051億円
- 素形材:2,777億円
- 溶接:884億円
- 機械:1,869億円
- エンジニアリング:1,452億円
- 建設機械:3,817億円
- 電力:3,243億円
- その他:275億円
神戸製鋼所の売上高のうち、鉄鋼アルミ事業の割合は44%と大手3社の中では最も小さな割合です。
1,000億円規模の事業が鉄鋼含めて6つもあり、まさに多角化経営している会社と言えます。
売上別割合が2番目に大きい建設機械はコベルコ建機というブランドで油圧ショベルを主力に事業展開しています。
建設機械業界では売上高が上位6位にあり大手です。
また、次に大きい電力はコベルコパワー神戸というブランドで関西電力に電力を供給しています。
神戸製鋼所の発電電力量は大手電力会社並みに大きく、7番目の規模です。
これは沖縄電力や北海道電力、四国電力などを上回る電力量であり、立派な電力会社と言っても過言ではないと思います。
事業別の利益額は鉄鋼アルミが最も大きいものの、利益率では3.7%と低いです。
一方で、電力事業の利益率は7.5%もあります。
2024年3月期の見通しでは電力事業が最も高い利益を上げる予測であり、利益の3割を電力事業が占める模様です。
現在の市況を考えると、鉄鋼事業はリスクが高いビジネスであると言えます。
高炉メーカーでは日本製鉄は世界2位であるものの、アジア各国が台頭しており鋼材は差別化しづらい商品です。
また、世界の鋼材需要の半分を担っていた中国が不動産市況で需要が減少し、鉄鋼事業での売上を上げるのが従来より難しくなっていると言えます。
その為、鉄鋼事業のウェイトが低く、高い収益性の電力や建設機械事業などバランスを持つのが大手鉄鋼3社と比較して神戸製鋼所にしかない特徴だと思います。
神戸製鋼所をホールドし続ける理由
当初は神戸製鋼所を投資額が大きく長年塩漬けする銘柄なので「負の遺産」とブログで呼んでいました。
去年の予定では神戸製鋼所がプラ転したら欲張らずに早めに利確する予定でした。
それでも、神戸製鋼所をホールドするのは電力事業の高い収益性&安定感、株価の伸び代があることです。
今期の高い利益が電力事業であり、来期以降も電力事業が主力となりそうです。
2023年3月期の決算で電力各社が好決算でしたが、電力ビジネスは儲かる仕組みが作られているので納得です。
神戸製鋼所の発電所は全て石炭で動く火力発電です。
石炭は再生可能エネルギーの観点では二酸化炭素排出量が多くエコでない発電方法であるものの、LNGや原油と比べて安定的かつ安価に調達できるメリットがあります。
ただ、ウクライナ戦争が勃発してからロシアから天然ガスの調達が世界的に困難になったことから安価だった石炭価格は急上昇したこともあります。
調達費用が上昇しても収益にさほど影響がないのは、燃料費調達制度という火力発電に用いる燃料が電力料金に反映される仕組みがあるからです。
また、大手電力会社と比べて発電施設は火力発電所のみで厄介な原子力発電所を保有していないので電力事業の安定感もあります。
原発は稼働すれば高い収益性の施設らしいですが、現時点では法整備や検査体制などでいつ稼働するか分からず高リスクの発電方法であるのに対して、石炭の火力発電はシンプルです。
電力需要は国内消費のみであり底堅いのもあります。
発電をして電力の買い手が常にいるのはビジネスとして魅力的です。
そして、月足で見た時に最高値と比べると現在の株価は低く伸び代は大きいです。
現在の株価は2,000円前後ですが、2007年の株価は5,000円を突破していた時もあります。
当時と市況も違えば事業内容も大きく変わっているものの、現在の方が収益性は高いので株価が伸びる余地はある気がします。
まとめ | 神戸製鋼所は鉄鋼兼電力会社
神戸製鋼所の評価損益率は200%を突破しました。
2022年12月にプラ転し、2023年に入ってから株価が毎月急上昇した結果、気づいたら含み益が470万円になっていた感じです。
株価が好調なのは市況トレンドも大きいです。
PBR1倍割れや新NISA、高配当銘柄…など投資の幾つものトレンドに該当しているので市況のおかげというのはあります。
でも、大手鉄鋼3社の中で年初からの値上がり率は神戸製鋼所が圧倒的に高いです。
売上や利益が圧倒的に高い日本製鉄ではなく、神戸製鋼所なのは電力や建設機械など収益性の高い事業が大きく貢献していると思っています。
大手3社の中で神戸製鋼所が好調なのは鉄鋼事業のウェイトが小さく、電力事業の安定した収益性が決め手だと思っています。
いつ利確しましょうか…。
今期は前期から大幅に増配しており、1年間の配当金は30万円以上になる模様です。
保有して配当金を貰うのも良いですが、代わりにキャピタルゲインが大幅に減少…なんてことが無いように神戸製鋼所をウォッチしていきたいです。