2018年5月にインターネットメディア、いわゆるアフィリエイトで株式会社として法人化をしました。
MBAで経営のイロハは散々勉強をしてきましたが、もちろん法人化はこれが人生初です。
個人事業主のまま事業を継続するというオプションもありましたが、自分は法人化を選択しました。
また、法人化をするにしてもタイミングの問題もあります。
個人事業主から法人化へと進んだ理由についてお話したいと思います。
個人事業として営む仕事は多種多様であり、所得税率が高すぎて法人化するべきか悩んでいる人の参考になれたらなと思います。
目次
法人化したのは営業利益率が99%を超えており課税所得が多すぎたため
インターネットメディアの運営は自分ひとりで作成していますし、何ら設備投資もかかっていません。
1年間でかかった費用はわずか10万円未満なので、PL(損益計算書)の営業利益率は99%でかなり高いです。
特別損益があるわけではないので、このままだと税前利益が99%となってしまいます。
課税所得は、ざっくり税前利益から基礎控除と青色申告特別控除を除いた金額になります。
控除を除いた課税所得でも高すぎて税金の支払いが大きくなってしまうと考えたために、法人化をすることに決めました。
というのも、個人事業主であれば利益がそのまま個人の所得となり、課税所得が1800万円以上であれば所得税率は40%、4000万円以上なら45%が適用されることになります。
さらに、住民税も所得に応じて課されることになるので、1800万円くらいの所得があると、半分くらいが税金の支払いでなくなってしまうことになります。
でも、法人化することで、利益を個人と法人に振り分けることが可能になるので、所得税を低く抑えることができます。
法人の場合には役員報酬という形で年に1回株主総会を通して決められるので、収益が予想以上に高くなったとしても役員報酬で所得をコントロールすることができ、所得税を低く抑えることが可能になります。
つまり、個人事業主であれば財布は1つだけでしたが、法人にすることで財布を個人と法人の2に分かれます。
役員報酬で所得や法人の利益をコントロールすることができるようになったことが、個人事業主から法人化をした決め手でした。
収益が低くても利益率が高い場合には法人化でもメリットになることも
法人化にすることで、財布を2つに分けることができる上に、役員報酬で個人の所得と法人の所得をコントロールすることができるようになります。
さらに、法人化の良い点としては、役員報酬が全額経費になるところです。
社長であっても法人の社員の1人であるので役員報酬という形で会社から給与が支払われるわけですが、その給与が全額経費になります。
すると、法人の利益は大幅に圧縮されることになります。
ですから、個人の所得を抑えつつ、法人の所得も低くすることができるので税金の支払いも少なくすることができます。
しかも、役員報酬は全額が課税所得になるのではなく、ここから給与所得控除が適用されるので、課税所得はさらに小さくなるので所得税を低く抑えることができます。
給与に応じて控除金額が変わる給与所得控除は一般の会社にも適用されており、1000万円の給与の場合には給与所得控除は220万円となります。
つまり、個人の課税所得は780万円になるので所得税率は23%で済みます。
もちろん、法人化したことで個人事業主では支払う必要のなかった、法人税も支払う必要がでてきます。
ただ、法人の収益から役員報酬を支払っているので中小レベルであれば、法人の利益はわずかなので、個人と法人の税金を合わせても、利益によっては個人事業主より法人の方が節税できるというケースが多いように思います。
また、収益が低くても利益率がかなり高い場合にも、法人化する余地はあるように思います。
上述の通り、役員報酬で大きく経費を計上することができるので課税所得は小さくすることができるようになりますし、事業によっては法人名義で購入したものを経費にすることも可能です。
予想を大きく上回った収益になったために、ギリギリのタイミングで法人化に
2018年初め頃では、収益もそこまで伸びるとは考えていなかったために、法人化は2019年1月で12月決算にしようと思っていました。
これなら個人事業主から法人にスムーズに移行することができます。
でも、今年が始まってみると、収益が前月比130%以上で増加し続けており、高い所得税を支払うことになってしまうと思ったので、5月になって急遽、法人化をすることに決めました。
それでも今年は個人事業主として事業を進めていき、2019年から法人化という選択肢もあったのですが、5月の段階で法人化したことで節税金額が数百万円にもなるということが分かり、中途半端なタイミングとなってはしまいましたが、5月に法人化することになりました。
法人化のタイミングってホントに難しいと思います。
個人事業主から法人化になった途端に、収益が落ちてしまっては法人化のメリットも軽減されてしまいます。
また、今年は収益が順調でも来年以降がどう推移するのかは分かりません。
特に、変動が激しい事業ほど先が見えないので法人化に躊躇してしまう要因の一つのような気がします。
最終的に自分が思ったのは、法人設立の費用は節税によって回収することができるので、来年になって収益が落ちてしまったとしてもその時に考えれば良いのかなと。
最初から今のインターネットメディアは他の事業を進めていくための資金を集めるものと考えていたので、法人化したことで事業内容が明確になり、新事業が成功できるようにモチベーションも高くなりました。
まずは法人成りするべきかどうかは税理士に相談するのが良いと思います。