収益が高く、経費となる費用が少ないために法人設立を決意
これまで個人事業主としてアフィリエイトを行っていたわけですが、2018年5月に株式会社として法人を設立しました。
アフィリエイト業界では、個人事業主から法人設立する目安として一般的に言われていたのが、年間で収益が1000万円以上、利益が500万円以上などです。
4月の時点でこれらの条件にはクリアしそうなこともあり、漠然とですが法人設立を考えていました。
ただ、この時はまだ直近の収益や利益がどのくらいなのかがざっくりとしか把握しておらず、税金の知識がほとんどなかったこともあって、法人設立は夏ないし2019年からでも良いかなと思っていました。
ただ、ざっくりと1月から4月までの収益を計算してみると、年間ベースでは1000万円は軽く超えるような収益予想でした。
何より、一般的な水準と比べても、費用があまりにも少なすぎて、経費がかなり少なく、結果として課税所得が多くなり税金が多く課される可能性がありました。
企業のPLで言う、売上に直接関係する売上原価は年間で10万円弱なので、売上総利益率は99%以上です。
確定申告の際には、ここから家賃の一部や消耗品、償却費、交通費などを経費として控除しても課税所得は多く、2017年分は多く税金を支払うことになってしまいました。
収益が順調に成長し、一般よりも費用が少ない財務構造だったこともあり、前倒しで法人設立をした方が良いと判断し、5月中に法人を設立することにしました。
個人事業主から法人化することでどのくらいの節税メリットがあるのか?
個人事業主などの事業所得や、会社員の給与所得における、所得税の最高税率は45%です。
さらに、住民税がざっくり所得の10%が加算されるので、所得税と住民税を合計した最高税率は55%にもなります。
この他にも、健康保険や年金がかかりますし、個人事業主の場合には事業税や消費税も必要になることもあります。
事業所得や給与所得は、所得に応じて課税される累進課税なので、所得が増えれば増えるほど、税金も多く支払うことになります。
最高税率の55%は4,000万円以上の所得に適用されますが、半分以上が税金の支払いで消えてしまうことになり、所得税と住民税の支払いを除いた手取りが1,800万円にしかなりません。
このように個人事業主のまま事業所得としてアフィリエイトを継続していると、累進課税により多額の税金を課されてしまいますが、法人設立によって財布を2つに分ける事で大きく節税を図ることができるようになります。
個人から法人へ変更した場合、代表取締役や役員であっても法人の会社員という位置づけになるので、法人から会社員への給与の支払い分が経費になります。
会社員に支払われた給与は、サラリーマンと同様に税金が課されることになりますが、給与から給与所得控除が適用されるので課税所得はさらに小さくなり、これに対して所得税や住民税などが課されることになります。
一方で、収益から役員報酬を支払った残りが法人の利益となります。
ここからさらに事業運営に必要となる経費を差し引くことで課税所得になり、およそ30%の法人税が課されることになります。
簡単な前提条件で計算すると、200万円くらいの節税になるはずです。
法人化でここまで大きく節税できるのも、役員報酬による大幅な経費と、給与所得控除によるところが大きいですね。
法人設立までは司法書士に依頼して10日間ほど
法人を設立するためには、ちょっと面倒な手続きが必要となります。
法人設立の流れは、定款を作成し、その定款を公証役場で認証してもらい、認証してもらった定款を法務局へ提出するという形になります。
ただ前後に、法人登記に必要な代表者印(会社印)や個人の実印、印鑑証明書、資本金の払込みなどの準備をしておく必要があります。
法人設立にあっては司法書士に依頼することになります。
法人登記をはじめ、不動産登記などは司法書士の業務となるので、個人でなるべく準備をするとしても必ず司法書士の作業が必要となります。
印鑑や資本金の準備はすぐにできますが、法人設立で一番時間がかかり悩ましいのが定款作成です。
司法書士の方で定款のフォーマットがあるので、司法書士からの質問に回答する形で定款を作成しました。
定款作成に関して司法書士からの質問事項としては、
- 社名
- 事業目的(事業内容)
- 本店の所在地
- 資本金
- 1株あたりの金額
- 発行可能株式総数
- 事業年度
- 発起人
このような質問に回答すると、定款案として作成してもらうので双方でチェックします。
事業目的についてはアフィリエイトであるインターネットメディア事業以外にも複数の事業を記載しており、かなり広めに事業を記載しました。
また、1株あたりの金額は、1円以上で任意で決めることができますが、一般的には1万円~5万円が多いです。
設立にあたって何株発行するかによって資本金が決まってきます。
自分の法人はインターネットメディアよりも大きいビジネスを目指しているので、取引先や銀行から見ても遜色ないくらいの資本金を設定しました。
本店の所在地ですが、バーチャルオフィスにしました。
バーチャルオフィスは、法人登記のために住所だけをレンタルできるサービスのことです。
賃貸マンションなので登記は難しいですし、実家だと税務署の管轄が変わり法人住民税も異なってしまうので、起業したばかりの時はバーチャルオフィスの利用が一般的だと思います。
法人登記については司法書士だけで完了しますが、事業年度や資本金については会計や税務についても関わってくるので事前に税理士に相談した方が良いかもしれません。
自分はこの時点ではまだ税理士はいなかったので勝手に決めてしまいましたが…。
定款作成から法務局への提出までに法人設立に要した期間は10日ほどです。
時間がかかるのは、定款作成と、審査が必要なバーチャルオフィスなので、急いでいるなら早めに準備しておく必要があります。