最近の就活で人気の企業はよりいっそう安定感があるところが多いように思います。
以前にも増して、公務員の人気も高くなっているようです。
その一方で、起業はかなりしやすくなりました。
資本金の下限は撤廃され1円でも法人化することができますし、バーチャルオフィスも全国に増えているので事務所にお金をかけずに事業を始めることができます。
また、クラウドソーシングを使えば、人を雇用せずに必要になった時だけ仕事を依頼することが出来るようになりました。
起業で成功すれば高いリターンが得られる一方、高いリスクが伴うハイリターン・ハイリスクの世界で、安定した事業、生活をするためには潤沢な資金確保は必須です。
そこで、独立した時にどのくらいの資金を用意したらいいのか、起業する時の心づもりなどを実体験を踏まえながらご紹介していきたいと思います。
スタート前の事業はプラン通りに進まないと覚悟しておく
会社員を退職して起業・独立する人の中には、同僚や先輩、友達、家族から反対される人も少なくないと思います。
自分もまさにそうでした。
確か、独立することを支持してくれた人はだれ一人もいなかったですが、頑固な性格だったこともあり独立をすることに。
起業・独立を反対する人、そして自分自身を納得というか正当化するために、(無意識に)楽観的なプランを練る人が多いと思います。
最初からネガティブなプランならわざわざリスクを冒して独立なんかするべきではありませんからね。
ただ、その楽観的に作成した事業プランが現実通りにいくケースはほとんどないと思います。
自分も独立して半年くらいで月次ベースで黒字になりそれ以降は売上・利益を増やすようなプランを立てていました。
でも、実際のところは最初の1年間は一度も黒字になった月はなく、貯金が60万円まで減ってしまったことがあります。
起業・独立するビジネスが今までにやったことがないものであれば、事業プランの精度はかなり低いでしょうし、仮に経験があったとしても一人で開発もマーケも営業も経理もやるとなると中々プラン通りにはいかないものです。
起業した直後に立てた事業プランは、あくまで目安でプラン通りに進めばラッキーくらいに考えれば良いと思います。
もちろん、事業プランが当たらないならテキトーに作るというのは問題外で、現状知る情報で精いっぱい知恵を絞って事業プランは練るべきです。
ビジネスに必要な資金と、生活費の最低半年分は用意
経営資源というと、ヒト・モノ・カネと言われていますが、起業したばかりの時には何よりも、お金が必要不可欠です。
お金がなければ優秀な人材を雇うことも出来ませんし、設備投資をすることもできません。
とにかく、ビジネスを始めたばかりの頃は、お金!お金!なのです。
では、これから新たにビジネスを始めるとしたら、ビジネス費用と生活費でどのくらいの資金を用意すればいいかというと、最低でも半年分くらいは用意するべきです。
これはあくまで最低レベルであって、理想は1年分くらいは売上が一切ない状態でもビジネスを継続できるくらいの資金を用意しておきたいところです。
自分が始めたアフィリエイトは設備投資がほとんど必要なかったので、家賃や食費などの生活費だけ考えればよかったので、1年半~2年分くらいの資金を用意しました。
もちろん、ここで言う資金というのは、資産から負債を除いた純資産のことです。
資金が1年分あったとしても住宅ローンや奨学金があるなら月々の返済を考慮すると自由に使えるお金は1年分もないことになります。
また、この最初に必要な資金については、銀行や親、友人から借金するのではなく、自前のお金でやるべきだと思っています。
というのも、大半の個人事業主や中小企業が創業して間もなく事業撤退するパターンが多いからです。
ビジネスのスタート段階は最もリスクが高いこともあり、自分自身のお金を使ったほうが良いと思います。
独立で事業が失敗した後の身の振り方も考えておく
自分の場合は、2年目を過ぎてからやっと月次で黒字になり、そこから売上が上がっていったので今がありますが、ホントにギリギリでした。
当初の予定では貯金が100万円を切ったら起業は諦めて、転職活動をして会社員に戻ると決めていました。
結局、貯金60万円から事業が軌道に乗ったので増えていき、転職活動をすることはありませんでした。
事業を始める前後は、夢でたくさんだと思います。
でも、そんな時こそ万一事業が失敗した時に身の振り方を考えておくべきです。
水を差すことにはなりますが、起業はとにかくリスクが高いのです。
身の振り方として一般的なのが転職活動して会社員に戻ることだと思いますが、ビジネスを細々とでも継続するためにアルバイトや契約社員になるなどいくつかの選択肢があるかなと思います。
ただ、自分自身が不安に感じてたのは起業して前職を退職してから数年経った時に、ちゃんと転職することができるのかどうかです。
退職してから数年ブランクがありますが、当然遊んでいたわけではなく自らビジネスをしていたわけなのでその経験を転職活動で有利に運べるかどうかがポイントです。
先日、何年も前に登録していた外資系専門の転職エージェントから進捗状況の確認で話をする機会があったので、前職を退職して数年経つも起業した経験が有利になるか聞いてみると、ベンチャー企業やIT会社、コンサルではそのバイタリティを買ってくれるようです。
最初から悪いシナリオを考えておくと、ビジネスが厳しくなった時も次の人生にシフトしやすいと思いますよ。
まとめ
起業はホントにリスクが高いな…と思います。
なんとか4年目を迎えられたのも運が良かったとかもありますが、リスク管理がそれなり出来ていたからなのかなとも思ったりしています。
起業してとんとん拍子にビジネスが成長したとしても、山もあれば谷もあり厳しい状況もあります。
そんな時にビジネスを継続できるようにするためには、やっぱりキャッシュです。
潤沢な資金があればそれだけ起業のハードルもずっと低くなりますし、不安が減り積極的にビジネスを展開することもできるのかなと思います。
これから起業をしたいと思う人は、どのくらいの資金を用意できるのか、整理してみた方が良いと思います。